神無月鎮魂祭U
3
死神には特殊な力があり、それを使うことができる。
三度程刹希に見本を見せられ、苑希はそれに倣いやってみせた。
抵抗はなかった。
人間として同じ人間を殺めることと、死神として人間の魂を奪うことは意味が違う。
「なかなかやるな。やはり人間にしておくにはもったいない」
刹希は苑希を褒めた。
その後、簡単に説明だけして彼らは別れた。
いつの間にか刹希と会うことはなくなっていた。
仲間たちの噂では、彼が不要な感情を持ったために消されたという。
それが本当かどうかはわからないが、一部では、彼が苑希を、人間を仲間にしたということで、他の仲間に責められていたのは確かだった。
本来、苑希は人間としては最低な事をしていたので、死神が狙う対象だったが、刹希は彼を殺さず、死神として生かしている。
それは今までに例のないことだった。
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