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ラバーズ

白い部屋に一人の少女がいた。

メイスの上司であるラインが、彼女についてのデータを読み上げる。

「名前はアスカ。年は十七歳だが、数年前から歳をとっていない。感情は無し。よって言葉も通じなければ、話すこともできない。自分の意志では動かない」

今日はとりあえず、みんなで様子を見ることになった。


一通り説明を聞いた後、メイスはラインを呼び止めた。

「ラインさん、ちょっといいですか?」

「何だ、メイス?」

メイスはラインを別の部屋に呼んだ。

「エストのことなんですが・・・」

ラインはメイスから一冊のファイルを受け取った。

「・・・これは」

「念のため調べておいたんです。その結果です。エストはそんなに長くは生きられないでしょう」

「・・・それで、お前は?」

「俺が、あの子を拾った日に熱を出して、エストは記憶を失いました。記憶を取り戻せば何かわかるかもしれません。しかし、ここに来る前に、何があって、何故捨てられたのか。それがあの子にとって辛い事だったのなら、記憶を戻さないほうが、あの子にとって幸せならこのままでいいと思っています」

「そうか・・・」

あの子はあと、どれくらい生きることができるんだろう。

生きている短い間、自分はあの子に何をしてあげられるだろう。


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あきゅろす。
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