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呪解。
13
それから数日後、クラウドは彼女と再び会うようになっていた。

「ふふ、本当によく似ているようね。私とあなたの知り合いは」

「すまない。彼女と貴女は違うってわかってるんだ。でも、本当に似ていて」

「毎日私に会いに来るなんて、余程なのね」

毎日会っているうちに、彼女はクラウドにほのかな恋心が芽生えていた。

それをクラウドは知らない。

彼女も叶わない恋なんだと知っていた。

それは彼の腕にあったから。


クラウドの故郷では結婚の印に、ブレスレットを交換する。

そして子供が生まれると子供の数だけまたブレスレットをはめる習慣がある。

クラウドは二つはめていた。

それを彼女は知っていたのである。



「でも、私はあなたの大事な人とは違うの」

「わかっている。だが、忘れられない。あなたと会っていると思い出すんだ。いろんなこと。嫌ならもう会わないから…」

クラウドは彼女に違った意味での好意を示していたが、それは最愛の人と彼女がとても似ているからで、彼女自身を愛しているわけではない。

「いいの。私はあなたの彼女ではないけど、ここにいる間だけならその人の代わりはしてあげられるわ」

絶対に振り向いてくれはしないと分かってはいても、一緒に居たかった。

「ありがとう。そして、すまない」


春が来るまでは…。






そして春。

クラウドは冬の間閉ざされていた道を一人で歩いていった。


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