呪解。
11 亡国の王子2
城へ着いたクラウドとセシルは王の待つ、謁見の間に通された。
セシルはストーリア王が自分と年の変わらぬ少年であったことに驚いた。
二人は王の前で膝を折り、頭を下げた。
「顔を上げて下さい」
リシェール王は言った。
「ギリアは今、大変だそうですね」
「はい。王都復興のため、ぜひ貴方の協力がほしいのです」
「わかりました。私でよければ協力します。ところで隣の者は?」
「クラウドと申します、陛下」
「クラウド?」
それに反応したのはリシェール王ではなく、彼の後ろに立っていたカイザールだった。
「兄上、知っているのですか?」
「確か、数年前、東の国境争いの時に、我が国を勝利に導いた英雄だと…」
「……」
クラウドは無言で答えた。
それを肯定の意味で捉えたカイザールは、尊敬の眼差しで彼を見た。
「「それは本当か?」」
リシェールとセシルがそう言ったのはほぼ同時だった。
それにはクラウドは苦笑するだけだった。
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ストーリアの協力を得、再び町に出たセシルは、町で意外な人物と再会した。
それは、ギリア国の仲間たちだった。
先の争いで、彼らもこのストーリアに逃げてきたのだという。
その中には、かつてのギリアの王宮にいた従事たちもいた。
彼らはギリアの復興を目指し、仲間たちを集め行動していたのだという。
「こんなところでセシル様に出会えるとは。ご無事で何よりです」
「ありがとう。貴方たちに再会できてよかった」
セシルは、仲間たちに出会えたことで、同じ目標を持つ彼らについて行くことにした。
こうしてクラウドとは別れることになった。
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