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神無月鎮魂祭(突発短編)
バレンタイン2014(いつかのバレンタイン)
由羅の料理は壊滅的である。

「翼刃!ハッピーバレンタイン!はい、これ、受け取って?」

可愛らしく小首を傾げ上目遣いに翼刃を見上げて箱を差し出す由羅。

「あ、ありがとう」

翼刃は箱を受け取り、開けて固まった。

「あ、あの…、由羅さん?これは一体…?」

「バレンタインのチョコレートケーキよ。ね、食べてみて」

可愛らしく催促する由羅に、翼刃は箱を開けたまま顔をひきつらせている。

「翼刃?…食べてくれないの?」

由羅は眉を下げ、翼刃を見上げる。

(こ、これは…食べ物なのか…?)

箱の中には茶色い物体。

何を入れたのか、お菓子には到底入れないであろう物体が見えるのだが…。

モザイクモノである。

翼刃は仕方なく茶色い物体を摘まんで恐る恐る口に入れてみた。

ガッ!

「固っ…!?」

しかも歯も立たないくらい固い。

「翼刃…どう?」

「由羅…あのね、これ食べたら、多分、俺、死んじゃうよ…?」

翼刃は苦笑して由羅に言うと、由羅は翼刃が死んじゃうのが嫌なのか、箱を取り戻し、シュンと俯いた。

「あ…、じゃあ、一緒に作ろう?ね?」

翼刃の提案で、二人仲良くお料理教室が始まったのであった。

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