神無月鎮魂祭(突発短編) ハロウィン(翼刃バイトシリーズ)※いろいろ注意 翼刃は今、絶頂に機嫌が悪い。 何故毎度毎度自分ばかりがこんな格好をしなくてはならないのか。 周りを見て、他の店員やバイトの同僚たちの格好を見て、翼刃は苛立ちと情けなさで盛大な溜め息を吐いた。 今日はハロウィン。 店ではスタッフがハロウィンの仮装衣装で接客をする事になり、それぞれドラキュラやお化け、狼男、ミイラなどの衣装に身を包む中、翼刃だけが魔女。しかもミニのスカートの衣装である。ニーハイソックスで絶対領域も際どい。 「何でいつも俺だけ…」 仏頂面でぶつぶつ呟いている所に、ヴァンパイア姿の荒木と店長が翼刃に声をかけてきた。 「まぁまぁ、翼刃くん。前のイベントの時から翼刃くんの仮装が人気でね。客入りが良いんだよ。」 「ホラ、お前細いからさ、似合うんだよ。俺らみたいのが着たらゴツくてキモいだけだろ?」 フォローになっていないフォローで荒木は翼刃を宥める。 「俺が着てもキモいだけです!」 「お前…全然わかってないなぁ。自覚ない?」 翼刃はぶーたれていて、ホールに出るのを拒む。 「翼刃くん、今日頑張ったら特別ご褒美あげるから、今日だけ我慢してくれないかな?」 店長の説得により、翼刃は渋々仕事をする事になるのであった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |