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神無月鎮魂祭V
7
珀希が淡々と話し始めた。

「あの男は優秀だったが、少し優しすぎた。苑、おまえも知っている男だ。刹希という名の死神…。」

久々に聞くその名前に紅苑は思い出したようにはっとした。

「刹…希!?」

「ああ、おまえを死神界に連れて来た男だ。刹希にも正の感情があった。だから苑を殺さずに、魂と引き替えに仲間にした。そして…。」

「あいつはおまえの魂をあの人に渡さず自分に取り込んだんだ」

珀希の言葉の続きを蘭希が繋ぐ。

翼刃はそれを呆然と聞いていることしかできなかった。

今、たくさんの言葉が彼の中をぐるぐると回っていた。

全てを理解するのには時間がかかりそうだ。

翼刃は紅苑に支えられながら話しを聞いた。

苑希の魂を取り込んだ刹希は人間の女に恋をした。

そして二人の間に子供が生まれた。

それが翼刃だった。

元々彼女は身体があまり丈夫ではなかったため、翼刃がまだ小さい時に病気でこの世を去った。

残った刹希は、自分が仲間に狙われていることを知り、息子を巻き込まないようにと、小さい翼刃を置いて一人で出て行った。

その後、彼は死神界で罪を犯したことで消されたのだった。

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あきゅろす。
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