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神無月鎮魂祭V
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「そう…だよな。もうあいつも来ないだろうし。紅苑、これからもよろしくな」

そう言って、翼刃は手を差し出した。

改めて言うのが照れ臭いのか、少し顔が赤い。

その手を紅苑が取る。

「ああ、こちらこそ、翼刃。それから…」

紅苑は視線を宙に止める。

そこにはずっと今までのやりとりを見守っていた由羅がいた。

彼はもう片方の手を由羅に向かって差し出した。

「これからもよろしくね、由羅さん」

実体のない由羅は、その差し出された手にそっと触れた。

ふわりと何かがその手を撫でるような感じを受け、紅苑は微笑んだ。

「ありがとう、紅苑、由羅」

俺はもう独りじゃない。

寂しいとも思わない。

そして、もう二度と失わないように。

翼刃は紅苑の手と由羅の手を握った。

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