神無月鎮魂祭V
1
毎日同じ夢を見る。
とても恐ろしい夢だった。
彼が人の魂を奪う。
恐かった。
彼は死神だと言った。
数年前、自分を狙った奴の仲間。
もう二度と大切な人を自分のために巻き込んで失いたくなくて、独りを選んだ。
けれど、本当は寂しかった。
そんな時に現れた彼は、ずっと一緒にいてくれると言ってくれたことが嬉しかった。
でも、彼は死神だった。
俺は醜い言葉で彼を拒絶した。
どんなに彼が傷ついたかも知らずに。
そして俺はまた狙われた。
彼は身体を張って死神から守ってくれた。
また俺は命を助けられ、大切な人を失っていく。
自分から彼を拒絶し、離れていったくせに…。
今更助けを求めたのが彼だった。
崩れ落ちていく身体を必死で抱えながら泣いた。
それから半年後、彼は死神としてではなく人間として帰って来た。
[次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!