お祝い小説
ちぐはぐ観察日記 3














2月5日(金)


昨日、予告を無視してやってきたじじいは、まだいた。


「ほれ!!お前ら、しっかり修行せんかい!!」


そして、おれたちをシバいていた。


ほんとうにおれたちを孫だと認識しているのか。


ぽんぽん飛んでくるのは当たったら絶対命は無いであろう砲丸。


「ギャァアア!!!じいちゃんアブねぇぇえよォ!!」

「こんなんでへこたれるな!!そんなんじゃあ、立派な海軍になれんぞ!!」

「おれは海賊になるんだ!!!海軍になんてならねぇ!!」


じじいは恐いはずなのに、ルフィはそのことに関してだけはやけに反論していた。


おれの後ろで。








2月6日(土)



やっとじじいが帰っていった。


おれもルフィも昨日の修行のせいで、もう身体はボロボロ。

そんなおれたちを心配して来てくれたのは、酒屋で働いてるマキノだった。


「ふふ、ずいぶんお疲れのようね。私、今日アップルパイを持ってきたの。食べる?」


その言葉におれたちは、ボロボロだったはずの身体を飛び上がらせた。


「あぁ!!!食べる!!」

「マキノ!ありがとな!!」


はしゃぐおれたちを見て、マキノはにっこりと笑った。


あぁ、やっぱりおれたちの味方はマキノだけだな。


マキノが焼いてくれたアップルパイはものすごくおいしかった。


ほんとマキノがいてくれてよかったと思った。


この言葉を聞くまでは。


「それでね?二人に頼みたいことがあるんだけど…」


前言撤回。


やっぱりおれの味方はルフィだけだ。













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