通常 Happy Valentine。3 出来上がったチョコレートのお菓子は、冷蔵庫の中で冷やし固められ、そのあとママさんと一緒にラッピングをした。もともと手先が器用だったお陰もあって、ラッピングは綺麗にできた。 チョコレートを冷やしている間。ママさんとお茶をしているときに、いいものを見せてあげると言ってママさんは1冊のアルバムを持ってきてくれた。 そこに沢山収められていたのは、幼い頃のブラックの写真ばかりで、あの頃はまだ可愛かったんだけどねー。何処で育て方を間違えたのかしら。とママさんが溜息を吐くものだから、ボクは苦笑いすることしかできなかった。 アルバムの最後にはブラックとチェレン、そしてベルの3人が写っていた。たぶん冒険に出る直前に撮ったものだろう。それぞれがポケモンを抱えていた。皆とても嬉しそうで、出会って間もないはずなのに、仲のよさが伺える。 「これからは、Nくんが一緒に写ってる写真が増えていくわね」 ママさんのその一言がとても嬉しくて、思わず涙が出てきそうになったけれど、必死になってそれを堪えた。 「それとも、Nくん用のアルバムを用意したほうがいいかしら」 やっぱり1人1人の方がいいわよね。そう言うママさんは笑顔で。改めてボクをこの家に迎え入れてくれたことにとても感謝した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |