墨の香りの宝物 (完結済) あらすじが下部にあります ●目次● 1.壱 2.弐 3.参 4.四 5.五 6.六 7.七 8.八 9.九 10.十(完) 静夏(せいか)は書の上手な娘である。 あるとき、その腕が皇帝の目にとまり、静夏は宮中に呼び出される。 皇帝は静夏に、年の離れた妹に書を教えてやってほしいと言うのだ。 いまの皇帝鴻秀(こうしゅう)は先帝の弟皇子で、まだ即位したばかりだった。 先帝、つまり鴻秀の兄帝は若くして崩御し、后にはまだ子がなかったので、弟皇子である鴻秀が即位したのだ。 しかし、鴻秀の即位後、兄帝の后の懐妊が判明する。 彼女やその父親は、生まれた子が男子なら位を譲れと鴻秀にせまっていた。 だが、その件に関して、鴻秀はなぜか諾否を明確にしない。 また、兄帝の后は父親と一緒になって、今度は彼女の妹を鴻秀に嫁がせようとしていたのだが、それに関しては鴻秀は断っていた。 静夏は鴻秀の妹に気に入られ、日々楽しく過ごすこととなった。 妹を可愛がっている鴻秀とも少しずつ親しくなっていく。 だが静夏は、なぜ鴻秀が兄帝の遺児に位を譲るか否かを明確にしないのか、気になっていた…。 ※「筆耕(ひっこう)」=報酬を受けて、書き写したり清書したりすること。パソコン全盛の現代でも、賞状や席札などにおいて、この仕事が成り立つようです。 2009年7月21日up [戻る] |