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◇心と体



長太郎を好きな事に偽りはないのに。

長太郎の腰に回る手の感触や体を触れられる感触が好きになれない。

むしろ嫌悪さえ抱きそうになる。

もしかしたら、ただ長太郎に流されているだけなのかもしれない。

好きだと何度も囁かれる度に、俺もそうなのだと思ってしまっただけなのだろうか。

違う。

俺は前から長太郎が好きだった。

長太郎が俺の名前を呼ぶ時の声が好きだ。

笑ってる顔も好き。

一緒に居ると安心できるし、幸せだと感じる。

でも体は長太郎を拒絶する。

わかってるんだ。長太郎が俺を抱きたいと思ってる事は。

俺は長太郎になら抱かれてもいいと思ってる。

でも、いざその時になると恐くなるんだ。

長太郎が知らない男になってしまったような気になってしまう。

好きなのに。

俺の全てを長太郎にやってもいいのに。

身も心も長太郎のものにしてほしいのに。

「無理しなくていいです。ゆっくり行きましょう?」

長太郎にそう言われて、不覚にも涙が出そうになった。

長太郎の優しさと自分の惨めさに泣きたくなったんだ。

こんなに好きなのに何故、体は言う事を聞いてくれないのか。

こんな弱虫で臆病な奴でごめん…。


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心と体がバラバラで苦悩する宍戸さん。




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あきゅろす。
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