[携帯モード] [URL送信]

◇永遠に



「…ねぇ宍戸さん。苦しい?」

長太郎の長い指が俺の首に絡まる。
親指に力を入れられ、苦しさに喘いだ。

「ねぇ、どうしてあんな事するの?」
「…っ、ちょ…た…、っく!…」
「俺がどれだけ傷ついたかわかる?」
「…くっ、…っ」

わかる。
わかるからやったんだ。
だってお前だってやっただろう?
仕返しのつもりだったんだ。

「謝って、宍戸さん」
「っ!…ご、……っん」
「ごめん?…すいません、でしょ?」
「…っく…かは、…」

苦しい。
喉を押さえられて声が出せない。
わかっていたのに。
長太郎が何をしてくるかなんて、わかっていたんだ。

「…っく、…くる…しぃ…」
意識が遠退いていく。
首に絡まる指だけが、やけにリアルに感じられる。
死ぬのかな?
でも、コイツに殺されるならいいかも…。

意識を手放そうとした瞬間、指の感触が消えた。
その代わり、抱き締められた。

「ごめん!ごめんなさい!…ごめっ…」

泣いてる。
俺より大きい体を震わせて、泣きながら謝ってくる。
ごめん。
謝らなきゃいけないのは俺の方だ。
優しかった長太郎を壊してしまった。

「ごめんね、宍戸さん!苦しかったよね?」
「…ごめん」
「宍戸さん?宍戸さんは悪くないよ。俺が…」
「違う」

今から、俺がすることに対して謝るんだ。

俺は指を長太郎の首に絡ませる。
徐々に力を入れていく。

「っ!…しし…ど…さ」
「ごめん…長太郎」

今から、楽にしてやるから。

「宍戸さん…好き…だよ」
「…!…俺も好きだ」
「…よかっ…た」
「俺も後で逝くから…」

ずっと二人で一緒にいよう?
誰にも邪魔されない場所で、愛し合おう?

俺はお前を愛してるから――

END

***************

ダーク系。
急に思いついちゃったんで(苦笑)。

もう、何もイワナイヨ。

(05.11.27)



[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!