*forth day* 朝、いつもの時間に、いつもの顔が、いつものように俺の目の前にあった。 せやけど、その顔はいつもより少し暗くて、いつもと違ってちょっと俯いとる。 『ねぇ、知ってる?刹那知識はそろそろ終わりなんだ』 漸く神原から紡がれた言葉に俺は首を傾げる。 「終わりて…どういうことや?」 俺の質問に神原は答えんと、ただ悲しそうに笑っただけやった。 『ごめんね、刹那知識は一日ひとつだけだから。じゃあね』 それだけを言うと神原は初めて会った時と同じように、まるで逃げるかの如く教室から出て行った。 いつもは話題を出して勝手に話し出す神原がすぐにどっか行ってもうた。 せやからいつもは長い話が、今日はめっちゃ短こう終わる。 こんなに短いのは神原と初めて出会うた時だけやったから何かあったんちゃうかと俺は少し戸惑う。 「…終わりってなんやねん…」 周りに聞こえんくらい小さく呟いても何もなくて、何や知らんけど胸の奥がチクチクしとるだけやった。 ―next― [*前へ][次へ#] |