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こうなることは大方予想できていたのだ。
あの人だって当然予測していたはずなのに、どうして私を高校へ行かせたのだろうか、皆目見当がつかない。

何か理由があれば言ってくれればいいのに。
つくづく回りくどい人だなあと思った。

この高校を受験する日だって…

「今日は高校で仕事があるから、制服に着替えて行っておいで。」

とか何とか言って、入学式以来一度も着たことのない中学の制服に着替えさせられ、鞄を持たされて、着いた先は『神風学園高校入学試験会場』。
まさかと思って、持たされた鞄の中を見ると、ご丁寧に筆記用具に弁当に受験カード。

ハメられたと気付くのには10秒も掛からなかった。

文句を言ってやろうと思って携帯を見ると、一通のメール、『因みにかなりハイレベルな私立高校だから。』

口元まで出かかった暴言を何とか呑み下して、受験会場に一歩踏み込んだのであった――と言うように、彼奴はトンデモナイ人間なのだ。



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