自由気ままな生き方を
まじでここで合ってんの?
ザバン市、ツバシ町、2-5-10…………
「おっ、ここだな?」
しかし、見るからに定食屋さんなんだけどな。
本当にここが試験会場で合っとるのかね?
まぁ、ナビゲーターに言われた通りにしたらいいんだよな。
━━━━━━━ガラガラガラ
「いらっしぇーい!御注文はーーーー?」
店に入ると調理をしてる店の店主らしき親父に声をかけられた。
「……えーっと、ステーキ定食」
あたしはナビゲーターに言われた通りに答えた。
すると明らかに親父の表情が変わり、
「焼き方は?」
と聞いてきたので
「弱火でじっくり」
これもナビゲーターに言われた通りの答えだ。
「あいよー」
「お客さん、奥の部屋どう……ヒィィッッ!」
店員の女の子が案内してくれようとしたとき、急に顔を青ざめて悲鳴を上げた。
カタカタカタカタカタカタ
ん???なんだこの変な音は。
後ろを振り向いてみると、顔、肩、あらゆるとこに針を刺しまくった見るからに変なやばい風貌の男があたしの真後ろに立っていた。
いやいや近すぎだし!
振り返った瞬間にチューするすれすれな距離だったし(;´_ゝ`)
「びっくりしたぁ………………何?」
「カタカタカタカタカタカタ」
え、分かんないんだけど!もしかして喋れない人なのかな?
「………………あ、もしかしてあんたも試験受けるの?」
そう問いてみたらカタカタ言わせながらこくんと頷いた。
「お姉さん、この人も一緒で」
「……あっ、はっはい!この部屋へどうぞ〜!」
今度こそ部屋に入れた。
中に入ると真ん中にテーブルとイスがあったのでとりあえず座った。
しかも鉄板付きのテーブルに分厚い肉が用意されている。
カタカタはあたしの正面に座った。
人は見かけで判断してはいけないって言うけど、この目の前の奴はかなり怪しすぎる。
…………ってかコイツって人間なのか???
なんだかんだと考えてるうちに、
チーンと音が鳴って部屋のドアが開いた。
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