知らないうちに嫁入りしてました。
さようなら。
「…………てかさっき気に入ったしって言ったよねぇ?あたしら初対面じゃ?」
あたし今までにこんな美形の奴に会った記憶なんてないし。
「俺の母親と君のお義母さんとでなんかの交流があってさ、
そのときにお義母さんが俺の母親に君の写真を見せてくれてうちの母親がすごく気に入ってさ。
あまりに母さんがうるさいから夜中に君ん家に侵入して君のこと見に行ったんだ」
へぇ〜〜〜、そうだったんだぁ〜〜〜〜〜〜
………………………………ってなるかぁぁぁあああ!!!
「何しちゃってんのさ!この犯罪者!
結婚も取り消してちょーだい。離・婚!!!」
バツがつくとか嫌だけど、このまま夫婦なんてやるとか無理だし!
「え?嫌だし離婚しないよ?」
「なんでさ!あたしあんたのこと何も知らないし別に好きじゃないんだよ!?
そんな状態で夫婦なんて嫌じゃないの?」
愛がないんだぞ?愛が。
「何で?俺が名無しのこと好きなんだからべつにいいんじゃないの?
それに名無しだってすぐ俺のこと好きになるよ?」
え、何ですか。その自信は。
教えとくれよ……。
「あ”ーーー。も”ーーー。
らちがあかない!そしてなんか疲れたしお腹空いたーーー」
今何時さ?
「もう11時半か。忘れてた。俺仕事に行かなくちゃダメなんだった」
仕事?そう言えば……こいつ暗殺一家のゾルディックだったな。
「もうすぐ執事が来ると思うから………」
「仕事早く行かないと!あたしは大丈夫だから行ってきなよ!」
この男がいないなら逃げ出すチャンスじゃーーーん!☆
「うん、行ってくる。
あ、俺がいない間に逃げ出すなんてしたら君のこと殺すからね?」
「ハイハイ、いってらっしゃーい」
あたしは無理矢理イルミを仕事に送り出した。
逃げ出したら殺すとか言われたけどそれでもこんなとこにいたくないし。
それにあたしにはやらなくちゃいけないことがあるんだ。
ハンター試験。
一週間後のハンター試験を受けるから持っていくもんとか揃え直さないといけない。
もう実家なんて帰れないし帰りたくないしさ。
しかしお金はどうしたもんか。
イルミの部屋をあさってると引き出しからすごい量の札束が見つかった。
「うっわ!なんぢゃこの大金わ!??」
さすが金持ちだなー。
うちはごくごく普通の一般ピーポーだからこんな大金見たことない。
無理矢理結婚させられたんだし慰謝料的な感じでこのお金ちょっともらっていこ。
30万ジェニーくらいでいっかな???
執事がどーとかゆってたしあたしもさっさとこの家を出ないとね。
あたしは絶をしてこの部屋の窓から飛び下り、
初めて見る大きな屋敷を出て、
ひたすら山を駆け抜けゾルディック家を後にした。
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