知らないうちに嫁入りしてました。 探してた物 「どっちにしろ、あたしイルミと夫婦のつもりないから一緒にいれない。無理。それに、試験終わったらやることもあるしバイバイだし」 …………いい加減、諦めてくれないかな。 なんでそこまであたしに執着してるのか全然分からないし、あたしには愛がないんだよ。愛が。 友達、としてなら受け入れることはできるけど…………恋人を通り越して夫婦とかまじ無理でしょ。 「名無しのやりたいことってこれのことでしょ?」 イルミがポケットから何かを取り出し、あたしの目の前に持ってきた。 ……………………………………え? 「…………まさか、これって……」 ピンク色に輝く、とても綺麗な石。 角度によって、いろんなピンクに変化する変わった石。 どんな宝石よりも綺麗で、とても温かい石。 「…………………………なんで? なんでイルミがそれ持ってるの?」 いろんなところに散らばってしまって、集めるのがとても困難な石。 あたしの本当のお母さんの最期の血晶。 「名無しのことは何でも知ってるから探し出して全部集めた」 …………ッッッ全部!? 「ハンター試験受ける前にこの最後の石を見つけてきたんだ。家に帰ったら全部あるよ」 …………………………やばい。 びっくりしすぎて声が出ない。 あたしにはわかる。 これは本物だし、この石を集めるのはすごく困難なことだって。 「何個かハンターライセンスが必要な場所に保管されてたからさ、侵入するの苦労したよ。ははは」 ………………………………なんで 苦労してまで探してくれたの? なんで………………………………? [*前へ] [戻る] |