フェアリー番外編[野球編] 2 『2番、トムくん』 「…………」 無言で一礼して入ってくる。 バットは…右打ち。 (…打ってくるかも) 一番近くに居るフレイはそう感じた。 片霧にサインを出す。 (内角、低め) 片霧は頷き構える。 (狙うのは苦手なんだけど…) 振りかぶって…投げた! トムは見切ってフルスイング! バットは球を捉えるが、ファウルラインを超えてしまう。 カウント、1ストライク トムが改めて構える。 フレイは悩んでいた。 もう一度同じラインに投げさせるか、真ん中低めにすべきか… 迷った挙げ句、真ん中低めのサインを出した。 片霧が頷く。 振りかぶって…投げた っが、ミットに収まる前に落ちてしまう。 なんとかフレイはボールを取る。 これでカウント、ワンエンドワン 「軽く行け〜!」 ベンチから声が飛ぶ。 フレイは片霧に投げ返して、サインを出す。 片霧は頷き、ボールを投げた! 球を真っ直ぐにキャッチャーミットへ飛ぶ…っが、トムはそれを見逃さない。 フルスイングして球を打ち返す。 打球は内野を越え、抜けた! カーターが取り、一塁へ送球。 っが、トムは既に一塁に居た。 これで1アウト1塁。 そう。ここからチームアドラーの本気の攻撃が始まる… [*前へ][次へ#] [戻る] |