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キミだけを見つめたくて


喫茶店を出た恒司は時計を見た。

時刻は18時30分を少し過ぎた頃。
帰るには少し早い。

「…少し歩く?」

気付けばそんなことを口にしていた。

「う〜ん…いや帰る」

そう答える碧理に恒司は懲りずに、じゃあ途中まで一緒に帰って良い?と尋ねる。

「いいけど…すぐ帰るよ?」

「わかってるって」

そう言うと二人は駅に向かって歩きだした。

早く、でもなく
遅く、でもない

互いが互いに合わせるような歩調で歩いていく。

「そう言えば、この間りんちゃんがね…」

りんちゃんとは碧理の幼馴染みで今は隣町に住んでいる子らしい。
らしいと言うのも碧理から話を聞くだけで、直接会ったことは無いからだ。

「…なんだって」

「へぇ〜面白そうだな」

そんな話を聞いてるうちに駅についてしまった。

「…ちょっと待ってて」

そう言うと恒司は切符を買いに走る。

普段、恒司はこの路線に乗らない。
「乗らなくても良いから
」だ

改札を通り、ホームに降りる。
ちょうど電車が来たところで、2人はその列車に乗った。


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