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キミだけを見つめたくて
17

そしてダブルデート当日。
天気は曇りだが今にも雨が降り出しそうな空模様。

雨が降らないうちに上手く行けば良いんだが…
などと他人事の様に考えてる恒司は既に待ち合わせ場所である、臨海駅に着いていた。

右手に傘を持ち肩掛け鞄、黒のズボンにTシャツ、上着の代わりにオーバーシャツを羽織っているだけのラフな格好。

あたりを見渡すが先に来ている様子はない。

それもそのはず。
時刻はまだ10時になろうかとしているところなのだから。

そのままその場所で待っていても良かったのだが、少し喉が乾いた恒司は近くのコーヒーチェーン店に入った。

おかしな話だが、コーヒーチェーン店でも大概の店には紅茶があり、この店も例外ではなかった。
(もちろん、紅茶専門店に味は劣るが)

紅茶の載ったトレイをカウンター席置くと、鞄から文庫本を取り出す。

片手で本を開き、もう片方で砂糖、ミルクを入れ、スプーンで混ぜる。

その慣れた手つきは視るものがいれば器用だと思うだろうが生憎誰も視ていない。

ふと、一つ空席を挟んで座る少年も文庫本を読んでるのが目に留まった。

「現代の空戦のあり方」と書かれた本を熱心に読んでいた。
今時、空の戦いに興味があるやつもいたのかと恒司は思い自分の本に目線を落とす。

ちなみに彼の読む本は本革のカバーがかけられタイトルは見えないが、どうやら「ソロモン72柱について」の本のようだ。

なんとなく書店に行った時に目に付いたから買ったものなのだが、なかなか面白かったらしく、今二度目となる読み返しをしているところだった




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あきゅろす。
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