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キミだけを見つめたくて
15

伊吹はこのとき連絡先を交換した数名のひとりだ。
(ちなみに恒司は当日、携帯電話を未所持だったので誰とも交換していない。)

どうやら芹澤はその後も交流を続けていたようだ。

「っで?俺たちをダシに使おうってわけ?」

「まぁ…早い話そう言うことだ」

「はぁ…俺は事後承諾なんだろうけど。よく丸山さんを誘えたな?」

呆れ半分だがどういう経緯にしろ、よく誘えたものだと恒司は思った。

「まぁ…なんとかな。」

っと詳しくは聞けなかったが何らかのやりとりがあったのは確かだろう。

「そうか。それじゃ、詳しくは聞かないけど。」

「あ、あぁ…」

歯切れの悪い反応を示した芹澤だったが、出来るだけ早く用件済ませたいらしく詳しい日時や時間はこっちが(厳密には碧理と打合せて)決めてくれとのことらしく、彼女からの連絡はどうやらこういう意図らしい。

「にしても、恒司を誘って正解だったぜ…やっぱ丸ちゃんの目は確かだわ」

「っは?」

「いや、丸ちゃんに相談してたんだが、太田君なら上手く協力してくれると思うって言われたからさ。」

誘ったのは俺ではなく、碧理ではないのか?と恒司は突っ込みそうになったがなんとか堪え、碧理が何故そんなことを言い出したのか気になった。

「そう言えば場所を聞いてなかったと思うんだが?」

「あぁ、臨海に行こうかと思ってるんだが…」

「なるほど。海も近いし、ちょうどいいんじゃないか?ん?臨海………」


ふと最近臨海駅近くの話題を聞いたことを思い出す。

「駅から西に行くと静かな公園があるぞ。
小さいが人気は少ないし、整備されてて雰囲気も悪くない。」

ここまでの話で芹澤が何をしようとしているか察しの付いた恒司は些細なアドバイスを加える。

「…お、おう。」

「っま、後は頑張れ。良い報告を期待してるぞ」

「プレッシャー掛けんなよ」

「それじゃ、日時が決まれば連絡するよ」

「おう、早めに頼む」

っと別れの挨拶をして電話を切る二人。
恒司は早速日時を決めるべく、碧理に連絡を取り始めた。








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