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キミだけを見つめたくて
12


時は初夏。
中間試験も終わり、梅雨の合間の晴れ間は長続きせず予報は外れ夕方には雨が降り出した。

恒司は珍しく図書室に(本人曰わく読書をしないため)居た為、廊下に出て窓の外を見るまで気付かなかった。

自分のロッカーから置き傘を取り出し、昇降口へ向かう。

靴を履き替え、外に出ようとしたとき、軒先に人影があるのに気が付いた。

「っあ…恒司」

まだ何も発してないのに彼女のから声を掛けられる。

「雨宿りか?」

「そうよ。
雨、降るなんて言ってた?」

空を見上げると灰色のどんよりとした雲が広がっている。

ふと、あることを思い出し手に持っていた傘を彼女に差し出す

「碧理、使えよ」

「っえ?でも恒司は…」

もっともらしい疑問だが恒司が思い出したあることとは…

「これがあるから大丈夫」

鞄の中から出てきたのは折り畳み傘だった。

「なるほどね。」

「ほら、ココにいても止まないだろうから」

そういって傘を広げ歩き出す。

既に完全下校時刻に近付きつつあった為か通学路は2人しか居なかった。







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あきゅろす。
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