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キミだけを見つめたくて
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翌日。

恒司はそれまでのいつも通りに登校していた。

最も、考え事をしていたら無意識に学校に着いていたと言うのが正しいのかもしれない。

学校に着たからには教室に向かわねばならない。

保健室は看護を必要とする人が行くところであり、図書室はまだ開いていない。

となればどこかで身を隠すと言う手段もあるが、どうせ教室に行くことになるのだから、迷う理由もない。

教室を開け自分の席に座る。

「おは、今日は珍しいな」

「珍しいとは失礼な」

「それもそうだな。わりぃ」

声を掛けてきたのは昨日も挨拶してきた芹澤だった。

「なんか、良いことでもあったか?」

実に的を得てる質問に一瞬驚きはしたが動じず口を開いた。

「なんで?」

「いや?なんとなく」

何故、芹澤がそんなことを聞いてきたのか疑問に思ったが、もう1人会話に参加してきたことで、恒司は平常心を保つのが困難になる。

「おはよう、太田君と芹澤君」

「おう、おはよう」

「…おはよう」

僅かに芹澤に遅れながら挨拶を返した相手は丸山 碧理だった。




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