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「素直に落ちろ!」

フレイは1機のB-2爆撃機に、機関砲で攻撃を仕掛けていた。

迎撃機を惑わすためなのか、爆撃機は3方向にバラけていた。

フレイはまず、一番低空を飛ぶ爆撃機を狙っている。

機関砲がエンジンに命中し、黒い煙が穴から吹き出す、しかしそれだけだった。

「くそっ!」

フレイは再度、レティクルの中心を爆撃機に合わせて、トリガーを引いた。

今度は炎が吹き出し、爆撃機は内部から膨張し、裂けるようにして爆発した。

すぐにフレイは機体の速度を上げ、雲の下を飛ぶ爆撃機に狙いをつけた。

HMDの上をコマ送りのように高度計と速度計の数字が飛び、射程圏に爆撃機が入る。

フレイは機体に急制動をかけた、嘔吐を誘う体の抵抗を必死に抑えながら、レティクルの正面に薄っぺらな敵機を捉える。

フレイがトリガーを引いた瞬間、敵機が急に上昇した、20ミリ弾が薄い機体をかすめて飛ぶ。

苛つきを感じながらも、再び水平飛行に戻った敵機を追って上昇する。

「しまった」

高低差の激しい雲に捕まってしまい、流れる雲に視界を奪われてしまった。

しかし、HMDで敵機の位置は把握している、問題はあの薄っぺらな機体にどう機銃弾を浴びせるかだ。

フレイはHMDで敵機との距離に注意しながら、距離を詰めた。

レティクルに敵を囲むシーカーを捉え、機銃弾を発射した。
燃える破片が雲の間から突き抜け、遅れて爆音が響く、フレイは右に旋回した。

《爆撃機は残り1機だ、どうやら戦術核を搭載しているのはコイツのようだ》

フレイは敵機を探すために一度、雲の中から突き抜けた。

《射程圏到達まであと1分、頼むぞクロノス隊》

急がなければならない、その時ふと、目の前の空に、翼端灯の明かりが見えた。

距離は800メートル程度だろう、フレイがスロットルレバーに手をかけた時、ロックオンと共に、ミサイルの接近を告げるアラートが鳴り響いた。


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