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クロノス隊がスーデントールに到着した時、レシーバーから歌声が聞こえ出した。

「こちらはユーク第47戦闘飛行隊、大統領達の演説を聞いた、手伝わせてもらうよ」

「我々もだ、共に戦おう」

最初は小さかった歌声が、徐々に大きくなっている。

同時に、レーダーに次々と反応が現れ始めた。

「こちらはオーシア第8航空戦隊だ、共に戦わせてくれ」

どんどん歌声が重なる、これは副大統領が演説を行ったスタジアムで歌われたという、伝説の歌だ。

「…凄い…」

アリシアの息を呑む声が聞こえた。

こうしている間にも、味方は増え続けている。
所属も国籍もバラバラの航空隊が、あちこちで集まっている。
これだ、これこそ、フレイの望んでいた事だ。

その中で、先頭をゆく真っ黒な4機の戦闘機が目に止まった。

漆黒の機体カラー、垂直尾翼に描かれた女性を模した悪魔のエンブレム。

フレイは無線に向けて宣言した。

「こちらはオーシア軍第25戦闘飛行隊、ラーズグリーズ、手を貸させてくれ!」

操縦桿を操作し、ラーズグリーズの右翼に着ける。

顔は見えないが、一番右端のラーズグリーズのパイロットが、フレイに向けてぐっと親指を上に向けて突き出した。
フレイも親指をラーズグリーズに向けた、空から雪が降り出し始める。

《ラ〜ララ〜ラ〜我々の美声を聞きたまえ、こちらは空中管制機オーカニエーバ君達の言葉では空の目とも言うね。
君達のボスから通信が入っている、中継しよう》


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