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Y
敵艦との距離が縮まる。

1000…

800…

600…

500…

そして、

「駄目だ、近寄れない!」

フレイは最大出力でいったん離脱した。
ケストレルを沈めるために敵も必死で霰のように対空機銃を打ち出してくる。

「そこだ!」

アリシアの操るラプターが、フレイを狙ってできた隙をつき、真横から機銃を撃ち込む。

「く…火力が足りない!」

そう、機銃で艦を破壊するのは不可能に近い。
艦橋さえ破壊できればいいのだが、不用意に接近しては撃ち落とされてしまう。

さっきのはほとんど偶然だ。

「アルファ1 対鑑ミサイル発射!」

味方戦闘機がフリゲート艦に対鑑ミサイルを発射する。
低空を直進したミサイルは艦の目前に迫ると、一度上昇し、艦の真上に落ちた。

「よし、敵艦を撃沈!」

艦橋が根元から吹き飛んだフリゲート艦は黒煙と炎を吹き上げている。
じきに炎が回り爆発するだろう。

《11時方向から対鑑ミサイル接近中、数2》

「今度はこっちだ!」

操縦桿を倒し、ペダルを蹴飛ばす。機首がせり上がり、景色が流れる。

スロットルレバーを倒すと同時に機体を水平に戻すと、そのままケストレルの進路に立ちふさがるフリゲート艦に接近する。

スロットルレバーを引き戻し、当たり前に訪れる強力なGに歯を食いしばる。

ガンレティクルの中心に敵艦艦橋が捉えられる。

フレイは落ち着いてトリガーを引いた。

毎分6000発以上の速度で発射される20o弾が艦橋をえぐる。
衝突する前に、艦橋スレスレを飛び抜ける。



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