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「ねえ…お兄ちゃん、助けてくれて…ありがとね」
麻衣は小さく微笑むと、小さな手を重盛の膝に置いた。
「いいんだ…気にするな、兄弟なんだから当たり前だろ?」
重盛は麻衣の小さな手に、そっと自分の手を重ねた。
「麻衣は強いな」
「そっ…そんなこと…あうぅ」
重盛に頭を撫でられ、麻衣は頬を紅く染めた。
「あっ!そうだお兄ちゃん!助けに来てくれた人達の中に、お兄ちゃんの友達はいたの?」
「ああ、いたよ」
「本当!?」
「ああ、本当だよ」
麻衣の表情がぱっと輝いた。
「会ってみたいな〜お兄ちゃんの友達に〜」
「いや、でも…」
「お兄ちゃん前に約束したよ、今度合わせてあげるって」
結局、いくら言っても折れるしかないのだ。
「わかった…わかったよ、呼んでくるから待っててくれ」
「うん!絶対だよ!」
重盛は重い腰をあげ、ゆっくりと扉の前に移動した。
最後に一度振り返り、重盛は退室した。
「すまない麻衣…連れて来るのに時間がかかりそうだ」
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