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「この格納庫はもう駄目だ!
総員基地の中に戻れーっ!」

整備班長が、鳴り止まない爆音に負けないよう、精一杯声を上げて叫んだ。

その声を合図にしたかのように、ハンガーの一部がさらに崩壊し、鉄が捩り切れ、屋根を支えるパーツが剥がれ落ちてしまった。

「みんな急げー!巻き込まれるぞーっ!」

落下する金属の音にかき消されまいと、フレイも避退を促した。
そうだ、まずは仲間の安全を優先しよう。
今は自分のできる事を精一杯やるんだ!

フレイは負傷した兵士を支える味方に駆け寄り、フレイ自身も彼を支えた。

すでに格納庫には火が燃え移り、倒壊は時間の問題だった。
フレイとその兵士達が格納庫を抜け出した直後、鉄のフレームが数本倒れ、入り口に鈍い音を立てて落下した。

あと少し遅れていたら、ペチャンコになっていただろう。
しかし、安心するのはまだ早かった。

「敵弾!伏せろーっ!」

味方が指差した方向に、咄嗟にフレイは視線を送った。
そこに見えたのは薄い排気煙を吐き出しながら突き進む、オレンジ色の光点。

「まずい!」

フレイは負傷した兵士の肩を掴み、その場に倒れ込んだ。
くぐもった声が聞こえたが、それもすぐに、次の爆音にかき消されてしまった。

「ぐわあぁっ!」

数人の叫び声と共に、隣の格納庫が対地ミサイルに吹き飛ばされた。
一瞬の間に起こった強い光が付近にいた仲間達を巻き込んで行く。

爆風が破片を撒き散らし、燃え盛った小さな鉄屑がフレイにも降り注ぐ。

「おい!しっかりしろ!立て」

すぐに倒れた人間を味方が叩き起こし、避難を再開する。
フレイはその場にしゃがんだまま、空に目を向けていた。


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あきゅろす。
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