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「…脆い防空体制がもたらした架空の飛行隊ではないのですか?」

フレイは直立不動のまま、冷めた瞳のまま、高級将校達を睨んで言った。

「我々は聞かれた事、知っている事を答えているだけです」

「しかしだね、君達と同行した第5航空団は全滅、生存者はいないそうじゃないか」

「そもそも我が国ではそのような形状をした機体は運用していないのだよ、捜索したが残骸はおろか死体すら上がらなかったそうだよ」

「第5航空団を全滅させたのが君達ではないのだとしたら、一体誰がやったんだね」

「フライトレコードを調べて下さい、戦闘データの解析を。機体の残骸は海中に沈んでいるはずです!上空から見ただけでは―」

「まあいい、今回の事は我々にも理解しがたい事だらけだ。後で追って通達する、所属基地に戻っていい」

男は投げやりな態度で、ヒラヒラと手をふった。

「…失礼します」

それを確認したフレイは、アリシアと共に、退室した。

………

……



「ECMのせいで、こちらの無線記録はただの雑音しか写っていない」

フレイは自販機に寄りかかりながら、小さな窓から覗く空を見上げて呟いた。

「わからない…何かがひっかかるの…でも、漠然としない」

アリシアはうなだれていた、人一倍正義感が強いため、無理もない。

フレイはアリシアを、そっと抱き寄せた。

「大丈夫だ、私達は何もしていない。
はるばる首都までやって来て、味方機を落とすなんて、意味の無い事だ。
たまたま指令が来たんだ、奴らもすぐにわかるさ」

「うん」

アリシアは、フレイの胸に顔をうずめながら頷いた。



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あきゅろす。
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