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―明け方、フレイはアリシアと共にエプロンを訪れていた。

エプロンには練習生の搭乗機、AV-8ハリアーUが15機駐機している。
ライトグレイの装甲が、東の空を白く染め始めた光を受けて煌めいている。

開戦からまだ17時間。
ユークトバニアの作戦計画はオーシアに反撃を与えない綿密なスケジュールに基づいたもののようだった。

ユークトバニアはムルスカ基地から戦闘機を送り、最も近いサンド島を襲撃した。

だが、攻撃隊は駐屯部隊に蹴散らされ、ユークトバニアのオーシア領内侵攻は叶わなかった。

「これが終われば…私達はバラバラ…同じ空を飛ぶ事は会っても、同じ場所に帰ることは無くなるのね」

アリシアはハリアーの装甲をそっと撫でた。
ゆっくりと額を近づけ、機体に寄りかかる。

フレイはその姿をじっと見つめていた。

打ち寄せる波の音。

それに混じって、聞き慣れた喧騒が潮風に乗って聞こえてくる。

搭乗員宿舎…

明るい光りが、窓から外に漏れていた。


「…時間ね」

名残惜しそうに機体から離れたアリシアは、ゆっくりと、フレイの隣に戻って来た。

それと同時に、まだ若い練習生達がドタドタと、笑顔で駆けて来る。

フレイは一人一人の顔をしっかりと見た、どれもその瞳をキラキラと輝かせている。

ハリアーの前に整列する練習生達、ザッと足音を立て背筋を伸ばし、敬礼した。

「諸君おはよう、本日天気晴朗なれども波高し。
何人かまだ眠そうな奴もいるが、ただ今よりこの島で行われる最後のミッションを実施する!」

「それはユレメリス隊、並びにテュール隊の模擬戦闘である!
相手はクロノス隊が勤める、質問は?」

「アリシア中尉とフレイ中佐はいつ結婚するんですか?
しないならアリシア中尉はもらっていきます」

言ったのはユレメリス隊所属の男性パイロット、ゴードンだ。

「少尉が私に勝てたら答えてやる、装備はペイント弾のみ、ミサイルは使用不可能。戦場はダリス島上空…よし、行くぞ!」

「「「了解!」」」



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あきゅろす。
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