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―return in triumph―

《クロノス隊帰投完了、任務お疲れ様でした》

「長い1日だったな…」

PM 17:32

フレイは所属基地、ダリス島航空基地に戻っていた。

コクピットから立ち上がり、ヘルメットをむしり取る。
まだ夏の残り香が残る、南の島。
赤道に近いためか、9月でも秋の気配は遠い。

格納庫に籠もった熱気が疲れた体を包む、フレイは考えていた。

なぜ戦争が始まったのか、ユークトバニアとオーシアは15年前の戦争以来。
友好関係を続けて来た、冷戦状態だった二国の代表が互いに手を取り合う映像は新聞の一面を飾った事もある。

ユークトバニアによる宣戦布告、同時攻撃…

「フレイ、お疲れ様」

その声の方向、タラップの下でアリシアがフレイを見上げていた。

「ああ…生き残ったな…」

「ええ、無事に帰ってこれた」

フレイはコクピットから飛び降りた。
そして、アリシアの頭をポンポンと撫でた。

「…ぁ…」

小さい声をあげたアリシアの頬に朱が浮かび上がる。

それを見ていた何人かの整備士が、笑いながら通り過ぎて行く。


「相変わらずのバカップルさ加減だなぁ〜中佐とアリシアちゃんは」

熱気の籠もる格納庫の中に、暑苦しい声がこだまする。
二人を見ていた体格の良い整備士がハンサムな笑顔を浮かべて近づいて来た

「当然です、信頼してますから」

アリシアが頭に手を置かれたまま、そう返した。

「おやおや、そうかいそうかい」

整備士はニヤニヤしながら腕を組み、視線をフレイからアリシアへと動かし、意味深な笑みを浮かべたまま「信頼ねぇ」と呟いた。



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あきゅろす。
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