小説 フェアリー隊
9
周回軌道─それはフェアリーが国際防衛に着く際、新たに定められた航行高度及び緯度だ。
緯度の誤差は最大10度。
航行高度については非戦闘時は35000ft以上。
戦闘時については全高度の使用が許可された。
無論、後日発行の報告書に不備が無ければの話だが…
重盛 優友 視点
「それにしても暇だな…」
堀田がそう言う
「何も無いほど、良いことは無いわ」
何やら本らしき物を読んでいる江口が冷たくそう言い放つ
「〜〜〜〜〜〜〜〜」
片霧は眠そうに欠伸をしている。
「まぁそうだけどな」
現在位置
ブリーフィングルーム
現在時刻
2200時
無事に離陸、離脱を果たした俺達は3機編隊(ワイバーンを中心に輸送機が左右に展開)で空中哨戒をしながら、母艦であるヴァンシーWを目指していた。
「由貴さん〜後どのくらいっすか〜?」
「そうね…あと3時間ぐらいかしら?」
片霧は眠そうな目を擦りながら尋ねた問いに由貴は時計を見て軽く言った
(確かに暇だな…お茶でも飲もうか…?)
そう思っていると…
ピピピー(呼出音)
「なんだ?」
『ロングレンジ・レーダーに反応あり。
高高度を飛行する物体を探知しました』
(おかしいな?そんな報告は受けていないぞ?)
「ヴァンシーに再度、確認要請
現時刻にフェアリーの周回軌道に飛行申請をした機が無いか調べてくれ。
すぐに行く」
『了解。』
受話器を置き素早く叫ぶ
「由貴、行くぞ」
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