小説 フェアリー隊
8
「その通りだよ。」
国王はにこやかに答える。
「なるほど…しかし、こちらの戦力としてはかなり厳しい。現に他国の防衛線は総崩れだ。
スフィア、フリージアは共にイレギュラーな事態に対処できるだけの力があったからこそ。
しかしその均衡もいずれ崩れる。私はその為にここへやって参りました。」
「…して、その理由は?」
手を組み、肘を付き、口元を手で隠す。
「ワイバーンの修理、修繕。最新のFFSデータを参考にした、イーグルの改修。
そして…スフィア軍からの増援。」
この言葉には、国王もうなり声を上げた。
「もちろん内政事情は重々承知です。
それでも、力がないと守りたいものも守れない。
違いましたか?」
重盛が口にした言葉。
それは以前、国王自身が重盛に投げ掛けた言葉だった。
「…実は、もう手は打っているのだよ。」
重盛はやはりと思った。
「とりあえずの物は今頃基地に着いているはずだ。
もう一つの物は…急ピッチで準備しているはずだ。」
「さすが、国王陛下。
お手が早い…」
「大佐、人聞きが悪く聞こえますよ?」
「あはは…構わないよ。
君には借りてばかりだからね」
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