小説 フェアリー隊
5
扉を開くとそこは謁見の間とあって、護衛の騎士が数名と大臣と思われる方々が待ち構えていた。
優友はレッドカーペットを真っ直ぐ歩き、国王の前で膝まづいた。
「突然の謁見の申し出を承諾していただき、誠に有り難く存じます。」
やや間があって、国王は口を開いた。
「面を上げては頂けぬだろうか、重盛殿。
君にはその様なことをせずとも良いのだから。」
その言葉に右側にいた大臣が異議を唱えようとしたが、国王が制した。
「有り難きお言葉…」
ゆっくりと顔を上げ立ち上がる。
「この度の謁見、なに用が有っての申し出か?」
左の大臣が重盛に問う。
「はい、国王陛下に折り入ってお願いしたいことが有りまして…」
「けしからん!国王陛下と分かっていながらの冒涜か!」
右の大臣が口を挟む。
「まぁ、落ち着きなさい。
良かろう。個室で話を聞こうではないか。」
騎士を1人呼び案内させた。
案内されたその部屋は、いつしかの亡命を提案されたあの部屋だった。
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