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小説 フェアリー隊


翌日。
早くも謁見が認められ、重盛はワイバーンの格納庫から愛車を取り出していた。

「…まさかとは思うけどそれで王都に行くとか言わないわよね?」

丁度、車を出したところで欣子がバインダーを片手にワイバーンをチェックしていた。

「いや、そのつもりだけど?」

「…っと言うか、それも持ち出してたんだ」

重盛の愛車はシルビアと呼ばれる車種で俗にS15と言われるシルビアシリーズの最後の車種だ。

色はホワイト。
純正エアロパーツのリアウイングを付けている。

外見こそは決して派手ではない、町中を走るスポーツカーそのものなのだが、この車はもちろんタダもんではない。
その話しは後で分かることになる。

「俺の愛車なんだぞ?そう簡単に置いていくかよ」

笑いながら、車を止め降りる。

「なんてな。本当は置いていくつもりだったんだが、勝手に積まれてたんだよ。」

国王にな、っと付け加えながら、助手席の扉を開ける。

「少し乗るか?」

少し考え、うんと頷く欣子。

「ちなみにどちらまで?」

乗り込む欣子を見ながら聞く。

「基地本部まで。」

了解っと言って扉を閉める。

運転席に座りドライブグローブをはめる。

「変わらないね。」

「…まぁな」

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