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小説 フェアリー隊
10

滑走路脇を軽快に走るジープ。
ハンドルを握っているのは舞。
助手席にヴォルフが乗っているが、無言で腕を組んでいる。

「あなたが麻衣ちゃんね?
よろしく」

バックミラーを見ながら後部座席の真ん中に座る麻衣に話しかける。

「っあ、はい。よろしくお願いします」

「ふふ、良くできた妹さんね。」

今度は冷やかしながら重盛を見る。

「…それで?俺達をどうするんだ?」

「これから基地司令部に向かう。
話しはそれからだ。」

「………」

無言になる重盛をミラー越しに見て、前を見るヴォルフ。

「心配するな、行けばわかるさ」

「…………」

それでも無言の重盛。
滑走路では、FFS-22の前型F-22が発進していた。
スーッと上がっていくのを眺め眺めていると基地の入り口へと車は着いていた。

車を降り、建物の中へと足を進める。
幾つもの角を曲がり辿り着いたのは基地指令の元だった。

…コンコン

失礼します、っといって入っていく舞に続く重盛。

そこに居たのは予想外の人だった。



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