小説 フェアリー隊
9
『滑走路まで後300』
ギアを下ろし、滑走路へ近づく。
『後100』
機首を上げ更に減速する。
『後50』
徐々に高度が下がり、地面にタイヤがつく。
タッチダウン。
そのまま速度を下げていく。
『誘導灯に従って第8格納庫へ向かってくれ。』
滑走路に付けられた誘導灯が点滅し、1つのハンガーへ道を示している。
その先には誘導員が待機している。
格納庫の前まで自走し、牽引されながら格納庫へ収納される。
電力を最小限まで落として降りる準備を進める。
「忘れ物はないよな?
よし、降りるぞ」
搭乗口を開ける。
そこに居たのは銃を構えたスフィア軍兵士だった。
「………………」
麻衣は怯えて由貴の後ろに隠れている。
っと、そこに一台のジープが割り込む。
「銃を下ろせ。」
「国王の命令により、彼らは私達が保護します。」
サングラスを掛けているが、紛れもなくヴォルフと舞であろう。
兵士達は渋々と銃を下ろす。
「…乗れ」
「はぁ…機体はどうなる?」
ため息まじりの重盛の問いに舞が答える。
「どうもしないわ。そのままよ。」
「わかった。」
納得した重盛は機体から降り、ジープに乗った。
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