小説 フェアリー隊
7
「我々はワールドフリージア所属、第2独立部隊だ。
俺は重盛。【積み荷】を護衛してきた。」
『…証拠は?』
「ワイバーンの尾翼だ。」
ワイバーンの尾翼。
そこに書かれているのは、フェアリー隊に似たエンブレム。
これこそが証拠だった。
『…いいでしょう。
これより、我が隊は貴殿方を護衛します。』
重盛は胸を撫で下ろした。
っとその時!
『まだだ!まだだぞ重盛!』
重盛の機体の真上から急降下アタックをしかけて来たのはSu-37
「おい!」
重盛もすかさず降下を開始。
同時にエンジンパワーを上げる。
っが
…ッボン
「っな!」
重盛の機体は左エンジンから黒煙を上げた。
『お兄ちゃん!』
「っくそ!」
機体はロールしながら落ちていく。
幸い高度が未だあるため、姿勢は立て直せる。
「左エンジンに異物?」
多目的ディスプレイを読み取りながらつぶやく。
素早く左エンジンを停止、右エンジンのパワーを上げて機体の姿勢を保つ。
『…大丈夫か?』
ヴォルフから心配する無線が入るが、答えない。
「…自力飛行は無理だな
由貴!ワイバーンに緊急着艦する。」
『了解!』
幸い、ワイバーンから其ほど離れていないため、なんとかなりそうだ。
「正面からアプローチする。」
ワイバーンの正面からアプローチ体勢を取る。
『了解。
着艦ネット展開完了
いつでもどうぞ!』
スロットルを慎重に扱い、失速しないようにする。
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