小説 フェアリー隊
5
「アンノウン…いや、スフィア軍機との接触まで、後どのくらいだ?」
『後2分です。』
レーダー上では確実に差が詰まりつつある。
『どうするんですか?』
「…先に打ってくるなら落とすしかないな…
マニュアル通り勧告から入ってくれれば…」
『ですね。』
この状況でマニュアル通り事を運んで貰えるかは相手次第。
ある意味、神頼みな賭けだ。
『……スフィア軍…こちらはスフィア軍、聞こえるか?』
「!?」
重盛は驚いた。
何故ならその声に聞き覚えがあるからだ。
『我々は…』
「久しぶりだな!」
『…!?』
どうやら向こうも驚いたようだ。
「元気そうじゃないか」
『重盛…か?』
「あぁ、そうだよ」
『………………』
だが、何故か相手は押し黙ってしまった。
「…どうした?」
しばらくの間。
そして、相手は重い口を開いた。
『本国からの命令は接近する航空機は全て破壊だ。
それは重盛、お前達も例外ではない!』
そう言い放つとSu-37はアフターバーナーを点火し、加速してくる。
『待ちなさい!相手は重盛くんよ?!』
僚機からの通信が入るが、Su-37は止まる気配がない。
「…っち」
重盛は舌打ちをし、加速する。
『お兄ちゃん!』
「大丈夫だ。」
そうこうしている内に相手が接近していた。
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