小説 フェアリー隊
4
格納庫に一機だけある機体…
重盛の愛機、F-15S/ACTIVは見てわかる程にボロボロだった。
右翼は真新しいが、根本が焦げたように黒くなっていたり、ところどころに機銃の被弾後があった。
重盛は乗り込み、起動させる。
「由貴、聞こえるか?」
『はい。』
「向こうの様子は?」
キャノピーを閉めながら問う。
『依然、こちらに接近中です。』
ディスプレイに明かりが灯り、情報が表示されていく。
『機数は6。内4機がバルキリーです!』
「…どう見る?」
『恐らく、先頭の2機はアグレッサーかそれに準ずる者かと。』
「同意見だ。
ハッチを開けてくれ。いつでも出られる。」
『了解!』
パネルが動き、発艦位置へと移動する。
『ハッチ解放、システムオールグリーン。発進どうぞ!』
麻衣からの声を聞き、目を開ける。
「イーグル改、スコール出る!」
カタパルトから打ち出され、空へと飛び出す。
青い空、白い雲を飛び抜け、ワイバーンの前へと出る。
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