小説 フェアリー隊
2
出発して3時間。
赤道を過ぎた頃に異変が起きた。
ピピ、ピピ
「…レーダーに感!」
「………まだ領空ではないな…」
陸地から200kmは領空であるが、それはまだ先の事だ。
「…隊長、ここは………」
由貴が何かに気付いた。
「これを!」
ディスプレイに映し出されたのは、スフィア王国の地図。
そこからズームアウトしていき、1つの赤い線が引かれる。
「…これは…」
「戦争時の絶対防衛線です。」
絶対防衛線。
それは島国であるスフィア王国が独自に引いたライン。
そのラインの内側に敵国を通さないとした線があった。
「っと、いうことは接近する機体はスフィア軍機か…」
ただ、今は戦時中ではない。
なぜこの空域までスフィアが出てきているのか、わからない。
「光学映像入ります!」
映し出された機体、それはSu-37 ターミネーターを戦闘に右翼にF-14、そして…
「あれは!?」
由貴が声を上げる
「…バルキリー」
重盛が声を漏らした。
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