小説 フェアリー隊
5
「一機撃墜!」
もう何機撃墜したのだろう?
ガンキルした機体は黒煙を上げながら高度を落とし、やがて爆発した。
「まずいな…」
ふと、ウォルトの声が響いた。
「どうした?」
「やつら完全に街を焼くつもりだ。」
レーダーを見ると、人口が密集しているエリアを中心に攻められている。
アドラーだけではなく、首都防衛部隊は全機上がっているが、全く足りていない。
「クソ!フェアリー隊の他のメンバーは何をやってるんだ!」
トムが叫ぶ。
「要請は出したが、まだ来ない。」
「くそ!」
トムがスプリットSでUターンを図る。
っが…
「危ない!」
高度が足りず、危うく地面に衝突しかける。
「…おいおい地面とキスしようなんてオマエ訓練生か?」
「五月蝿い!」
隊員の集中力も限界に近付きつつあるようだ。
「ルキ、燃料は大丈夫か?」
「…かなり危ないですね」
「よし、アドラー隊補給に戻るぞ。」
隊長機を中心に編隊を組み直し、一度基地に戻る。
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