小説 フェアリー隊
4
ヒュー、っと黄色い声が上がる
アリシアはすっかり顔を赤く染め、今にも爆発しそうだ。
「焦れったいですよ、ハート中佐」
そう、俺を押したのは由貴さんだった。
ノンさんの陰から忍より、一瞬の隙で俺の後ろに回り込んだのだ。
…さすがノンのパートナーだ。
「フ、フレイ…そろそろ離れてくれない…?」
そう言うアリシアだが、手は宙に浮き、行き場を失っていた。
「…いやだ…離さない」
おぉ〜!?
とまた歓声が上がる。
「…もぅ」
小さな声でそう言ったあと、フレイの背中をそっと柔らかく包んだ…
回りの目を気にせずにしばらくそうしていた。
それは時間にすると少しだが、永遠を感じた…
「はいはい、お前ら仕事に戻れ」
手を叩くノンさんの声で現実に戻された。
格納庫内のあちこちから見ていた野次馬は渋々仕事に戻っていく。
っと、俺達もほどこうとすると
「あぁ、二人はそのままで」
と言われた。
「ノンさん!」
っとアリシアが手を離した。
「あ〜あ、良い写真が撮れたのに…」
っとカメラを取り出していた。
全く…油断も隙もあったもんじゃない…
「この後、ブリーフィングルームに集合だ。
遅れるなよ」
そう言うと、手を振りながら基地内に消えていった。
俺達はと言うと…顔を見合せ、お互い笑い会っていた…
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