小説 フェアリー隊
3
フレイ・ジャックハート視点
この時をどれだけ待ち焦がれただろう…
目の前には一年前と同じ微笑みを向けているアリシアがいる…
何かを言いたいのだが、何を言えば良いかわからない…
あの戦闘の後、アリシアはワイバーンに帰還しそれっきりだった。
恐らく、ダリスに着いてからも報告やら整備やらで手が回らなかったのだろう。
それは俺もそうだった。
先日の戦闘とそれに伴う使用機に関する報告書。
更に、今回のスクランブル発進の件。
と、山積みだったのだ。
こうして、偶然ではあるが会ってしまったのに何を言えばいいかわかならいなんて…
開きかけの口がまた閉じる。
っと、そんなとき救い舟が現れた。
「いつまでそうしてるつもりだ?相棒」
「ノンさん…」
愛機があんな状態でよく頭だけの傷で済んだものだと思う。
「アリシアも大丈夫か?」
「えぇ」
っと短く、しかしにこやかに答えていた。
「フレイ?いつも通り接すればいいんだよ」
そんなこといわれたって…
っと思っていたら、後ろから誰かに押された。
ノンさん?!いや、彼は俺のとなり…
など思っていたら、目の前にいるアリシアに抱きついてしまった…
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