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小説 フェアリー隊


ダリス島航空基地

重盛 優友 視点


あの戦闘から2日…
格納庫内では、必死の修復作業が行われていた。

ワイバーンの損傷は思いの他ひどく、Bデッキが完全に吹き飛び、その影響で右翼が傷付き、翼は黒く変色していた。

俺のイーグルはと言うと…

「イレーナ!」

「はい!」

彼女はイレーナ・ロマ
一年前、俺がダリス島にいた頃、機体整備を担当していた。

「細部まで見ましたが、機体のフレーム自体に歪みが生じていますね。
オーバーホールしても治せませんね。」

やはりダメか…

「なんとか主翼を取り付けて、飛べるように出来ないか?」

「飛べるように…ですか?」

不審そうに尋ねてくる。
俺は頷いた。

「…お言葉ですが、飛べたとしても、戦闘機動は無理です。
他のパーツが吹き飛ぶか、あるいは…」

そこまで言ったイレーナを手で止める。

「飛べるだけでいいんだ」

しばらく黙っていたが、ため息をついたイレーナは
「仕方ありませんね」
と言って、機体に向かって歩き出した。

「主翼を取り付けるよ!
手伝って!」

っと叫び声が格納庫内に響き渡った。

ちなみに、当の本人はと言うと、頭に包帯を巻いている。

これは、衝撃で頭を打ち、出血していたのだ。

ちなみに、由貴には怪我は無く、今回の戦闘での負傷者はドラゴンフライの乗員8名と重盛だけだった。

「総隊長、そろそろ時間です。」

由貴が側に来てそう告げた。

「あぁ…」

っと答えたのだが、格納庫の出口を見て言い直した。
「…後10分待ってくれないか?」

「は?」

由貴の答えに笑顔で答えるとその場所に歩き出した。







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