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小説 フェアリー隊
13

アリシアがここにいないのには理由がある。

一年前。

計画が終わるまでずっと一緒に居た。

無論、生まれてからとかではない。

アリシアにあのスラム街で手を差し出したのが全ての始まりだった。

それから二人が親しくなるのにそれほど時間は必要ではなかった…

周りからは冷やかされて居たが、フレイとしては自分の気持ちが分からなかった。

そんな時、彼女は側に居てくれた。
どんな時も…いつも側に居た。

ー近すぎて分からないことだってある。
…今は暖かく見送ってやれ

そう。
アリシアは自分から他の部隊への転属願いを出した。

『ごめんなさい、フレイ。
…少し、一人で考えてみたいの』

そう彼女は言い残し、フレイの元を去った。

数週間は何事もなく過ごせていたが、不意に思い出してしまうようになってしまった。

空を見上げ、この空の何処かで飛んでいるのではないか、などと………



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