小説 フェアリー隊
10
「この報告書を見ていただけますか?」
そう言うとフレイは三上の意見を元にした今後の予想を見せた。
「…………………」
沈黙が辺りを包む。
聞こえてくるのは壁に掛けられた時計の秒針…
長針が動いたそのとき、大佐は口を開いた。
「なるほど…これを見たのは私だけか?」
「いえ、総隊長の元にも」
「懸命な判断だな。
だが、総隊長はつい昨日、ヴァンシーを離れた。
理由は、新人研修の為だそうだ。」
「…そうですか」
フレイはそう言いながらも、今後について考えていた。
「っで?君はどうしたい?」
そう言われてすかさず答えた。
「速やかに首都など主要都市の守りを固めるべきだと思います。」
ハーベット大佐は机の上で手を組むと口をゆっくり開いた。
「…我々の目的は例の不明機だけではない。
世界平和、そのものなんだ。」
更に大佐は続けた
「…ウェイカーを襲った連中は例の不明機編隊ではない。
次にどの基地が襲われるかわからない。
この基地だって例外ではない。」
「…はい」
「まぁ、参考として各基地に通達しておこう。」
そう言って大佐は手で出ていってもいいと言った感じで動かした。
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