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僕の願い
「兄さん〜?兄さんってば〜」

「あ?」

「なんかこの部屋からこんな手紙が出てきたよー。エドワードさんだって…」

「え…」

ここはハイデリヒと俺が一緒に暮らしてた家。一回元の世界に帰ってきた俺は戦いを終わらせ、今またこの街にいる。そう大好きなアルと一緒に…。
俺がここに帰って来た時、アルフォンスはノーアの膝の中で死んでいた。ショックだった…
俺のせいでアルフォンスがっとずっと思っていた。
そして時は流れやっとアルとこの生活になれていたころ…アルが掃除しようと言いだし、今現在にいたるってわけなんだが…

アルフォンスが俺に手紙…?

俺はその手紙を見てみる事にした。
いったい何を書いたんだアルフォンス―…

俺はそっとその手紙を見た。



―エドワードさんへ―


貴方は…いったい誰のことを見てるんですか…?


ドクン…

見るのが怖くなった…俺は…あの時アルとお前を重ねていたんだ…。
だけど、こいつの本音が書かれているのかもしれない…そう思った俺はゆっくりとまた手紙を見た…。




僕には好きな人がいます。
名前はエドワード・エルリックさん。彼は男性ながらもその容姿は女性みたいに美しい人…。
元気で明るいエドワードさん。だけど最近すごく寂しい顔をするんです。
僕が励ましても寂しい笑顔を向けたり、僕の顔を見て恥ずかしがったり、どこかボーと最近よくしている。

何があったんですか?

僕は…貴方が心配なのに…。

どうしたの?と聞くとエドワードさんは、
「何でもねぇよ!心配すんな」
とばかり…。

そして知ってしまった…。

僕とそっくりの弟がいたと言う事に。

そして…弟をすごく愛していた事に…。

そうか…そういうことだったんですね、エドワードさん。僕のことを見て恥ずかしがったり寂しそうな顔を見せていたのは僕を弟と重ね合わせていたんですね…。
僕は悲しいって言うより寂しいと言う感情が大きかった。

僕はこんなにも貴方が好きなのに…。

今、此処にいるのは僕なのに…。

だけど、こんなこと言ったらエドワードさんがどんな表情をするのか怖かったから僕はこの感情を心の奥にしまった。

でも…エドワードさん。
これだけは言いたい…。ちゃんと…ちゃんと弟さんと再会してください。そして幸せになってください…。



これが僕の願いです。

         ―ハイデリヒ―


気づけば頬に涙が伝った…

アルフォンスは…どうしてこんなに優しいんだ…?どうしてこんな優しい人が死ななくちゃいけないんだ…。
ゴメン…ゴメンな…アルフォンス…。
俺…ちゃんとアルに会ったよ。今は2人で幸せに暮らしてるよ…


ありがとう。アルフォンス…。


俺…これからもちゃんとアルと一緒に幸せになるよ…。
お前が望む幸せ…。
だから、お前もそこで幸せになってくれ。


俺もお前の幸せを願うよ…。


俺はアルに見られないように静かに泣いた。

そして自分の引き出しにそっと手紙を置き涙を拭いてまたアルと一緒に掃除を始めた。



         〜Fin〜






デリヒ実はエドに手紙を書いていました!!と言う話。
自分的にはこういうのもアリかなっと思います(ゝω・`)


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